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プレス情報

2020年11月06日
プレス情報-感染性硬膜下血腫の診断には「血腫の凸レンズ様形態」が最も有用である

当科の大学院生である玉井翔先生が今年発表した、石川県立中央病院の感染性硬膜下血腫症例を解析した研究論文をご紹介いたします。筆者から論文の要旨が届きましたので掲載させていただきます。

 

感染性硬膜下血腫は慢性硬膜下血腫に細菌感染が生じることで発症する死亡率が高い病気ですが、過去に50例程度の報告しかなく、いまだ不明な点が多い病態です。慢性硬膜下血腫から如何にこの稀な病気を見出し、適切な治療を早急に行えるかが問題でした。

今回は過去の感染性硬膜下血腫症例と慢性硬膜下血腫の画像を比較検討し、感染性硬膜下血腫の鑑別に有用な所見について検討しました。

結果、一般的に膿瘍の検出に有用とされるMRIでのDWI所見などよりも、「血腫の凸レンズ様形態」が最も優れた画像所見であることが分かり、論文報告しました。

Morphological characteristics of infected subdural hematoma: Comparison with images of chronic subdural hematoma.  Tamai S, et al. Clin Neurol Neurosurg. 194:105831, 2020.

この発見が感染性硬膜下血腫という病態の理解の向上、ひいては患者様の治療の一助となれば幸いです。

玉井翔