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学会

2022年08月12日
第22回 分子脳神経外科学会を終えて

第22回日本分子脳神経外科学会 2022年7月22・23日に第22回日本分子脳神経外科学会が当教室主催で開催されました。本学会は種々の脳神経外科疾患について分子生物学・細胞生物学の観点から診断及び新規治療法の開発を促進し、脳神経外科診療を向上していくことを目的としています。22回目となった本学会は当科中田教授が会長であり、事務局長の笹川先生を中心に金沢での学会開催について準備を進めてきました。COVID-19の第7波が近づいていたこともあり、現地での学会開催が危ぶまれたこともありましたが、幸い予定通り現地とweb配信のハイブリット開催を行うことができました。

県立音楽堂前にて

挨拶をされる中田教授

本会では海外招待講演として、的場伸行先生よりご自身の経験を踏まえて、脳神経外科領域での新たな研究視点と海外留学の意義についてご講演頂きました。

ご講演される的場先生

また、教育講演として当大学の河崎洋志先生より、高等哺乳動物を用いた脳神経系研究についてご講演頂きました。

ご講演される河崎先生

他にも特別企画として、本邦で顕著な研究成果をあげられている先生方から、研究の着想から臨床への応用化までのプロセスについてご講演頂きました。どれも興味深い内容であり、大変勉強になりました。

 

当科からは以下の7演題の発表を行いました。

・抗真菌薬ペンタミジンによる多面的抗グリオーマ作用の分子機構の解析 玉井 翔

・血管芽腫の嚢胞形成における血管周皮細胞の関与 阪口 真希

・人工抗原提示エクソソームによる抗原特異的Th1分化とその抗腫瘍効果 木村 亮堅

・COL1A2 inhibition effectively suppresses glioblastoma cell proliferation and invasion Yi Wang

・片頭痛薬ロメリジンによるグリオーマ幹細胞を標的とした新規治療の臨床応用へ向けた基礎研究 一ノ瀨 惇也

・上衣腫におけるEphB4/ephrinB2の検討 淑瑠 へムラサビット

・マウスモデルを用いたくも膜下出血後の早期脳損傷における交感神経系の関与 出村 宗大

発表される玉井先生

発表される木村先生

発表される一ノ瀬先生

発表される出村先生

脳神経外科の学会としては珍しい、基礎研究の発表が多い、非常に興味深い学会でしたが、当日は現地・web共に非常に多くの質問があり、充実した学会となりました。当科でも大学院生を中心として積極的に基礎研究が行われておりますが、今回学会で学んだことを参考にし、また来年演題を出せるよう努力していきたいと思います。

 

教室スタッフ一同