金沢大学脳神経外科

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学生・研修医の方

先輩の声

外科系専門コースのロールモデル

筒井泰史平成22年度卒業の筒井泰史です。

学生時代には小児科に興味があった私ですが、5年時の実習を経験し、外科系の特に専門性の高い分野へのあこがれを抱くようになりました。脳神経分野の奥の深さ、実際に働いている先生方の姿に触れて、翌年の6年時には脳外科を志していました。

初期研修では金沢大学の外科系専門プログラムを選択し、脳外科を中心に研修を行いました。初期研修を始める前に将来に専門とする診療科を絞ることにもちろん不安はありましたが、実際に研修を進めていくうちに、徐々に自分の選択に間違いがなかったことを確信するようになりました。

医師になりたての3か月間は恥ずかしながら即戦力として働くことはできませんが、実際に金沢大学病院脳神経外科で勤務し、医師の生活や心構え等を先生方より教えていただきました。その後の約1年間は関連病院であるK病院にて、内科・救急科を中心に研修しました。その内科ローテーション中でも、専門コースを選択した良さを日々感じていました。脳外科の手術の際には毎回声をかけていただき、時間があれば実際に助手として、時には執刀医として手術を経験できました。また、他科の患者さんを担当する際にも、脳外科を意識することで、“誤嚥性肺炎に対する抗生剤の選択”“緩下剤の使い分け”等の脳外科診療に生かせる勉強をすることができました。

2年目に入り再度、大学病院で研修し、病棟チームの一員として患者さんを受け持ち、日々の診療を行いました。一般病院では経験できないような症例が多く、病状を把握するだけでも苦戦することが多くありましたが、それぞれの分野の専門の先生方に教えていただきながら、成長することができました。日常の診療だけではなく、症例報告や学会発表等の指導もしっかりしていただけるので、この点でも大学病院の研修はとても有意義でした。

3年目の10月から現在に至るまで、関連病院のA病院にて、自分にとっては脳外科医として初めて大学病院以外での勤務をしています。大学病院での生活とはがらりと変わり、外来診療・病棟業務に加え、もちろん手術・血管撮影・放射線治療、さらに日中・夜間の救急対応と充実した日々を送っています。話だけ聞くと、全く自分の時間が取れないのではないかと思ってしまいますが、実際には、夕方からの病院のバドミントンサークルには毎週参加できますし、家でも子供と一緒にお風呂に入っています。

A病院での経験で最も大きかったものは、やはり手術だと思います。A病院に勤務して約1年で、80件を超える手術を“執刀”しました。脳外科の印象を尋ねると多くの学生さんは、“脳外科医は1人前になるまでに10年以上かかり、その間はろくに手術もできない”と答えます。例にもれず、もちろん自分もそう思っていました。しかし、実際に働いてみると、それが全く違っていたことがわかりました。まず、脳外科の手術には術者に合った様々な段階の手術がたくさんあります。研修医のうちに執刀を経験できる慢性硬膜下血腫の洗浄術から始まり、脳室-腹腔短絡術・外傷手術、そして脳腫瘍摘出術や脳動脈瘤頚部クリッピング術など分野・難易度もバリエーションに富んでいます。自分がどの段階にいても可能な手術があり、またステップアップすることで、いつまでも成長を実感できるというのは、脳外科のかなりの魅力であると感じています。また、もちろん開頭手術だけではなく、血管内治療や内視鏡手術、放射線治療など多岐にわたる専門分野があり、以前よりも特に女性医師にも親しみやすい診療科になっているのではないでしょうか。

それに加え、A病院で強く感じたのは、脳外科医の周囲からの信頼の厚さです。先にも述べましたが、外来・病棟・手術だけでなく、救急外来でもその手腕を十分に発揮することができ、それにより他科の医師だけでなく、看護師や技師、リハビリテーションスタッフ等のコメディカルの方々から頼られる存在となります。それにより周囲のスタッフとの関係も良好となり、仕事も円滑におこない、さらに信頼を得ることができ、それが自分のモチベーションにもつながります。A病院での勤務は、自分にとって脳外科医としてだけでなく、人間としてもとても大きな経験となりました。

この後、来年度からは金沢大学脳神経外科の教育プログラムに沿い、大学院での研究をスタートします。一旦、臨床からは離れることにはなりますが、研究・論文作成を行うことでさらに自分の人生の幅を広げることができると信じています。大学院卒業後は脳外科専門医資格を取得し、臨床をおこなう予定です。これまでの経験や知識だけでなく、研修生活で感じた初心を忘れずに、日々成長しながら脳外科診療をおこなっていきたいと思います。

卒後研修3年次の1年間での執刀症例
執刀手術 症例数
慢性硬膜下血腫洗浄術 33例
シャント手術 14例
定位脳手術 9例

血腫除去術  
 被殻
 皮質下
 急性硬膜下血腫

 7例 
(1例)
(4例)
(2例)

脳腫瘍摘出術
 転移性脳腫瘍
 悪性神経膠腫
 髄膜腫
 4例
(2例)
(1例)
(1例)
その他(リザーバー留置等)  23例
 研修ローテーションの例

研修ローテーションの例

 

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