金沢大学脳神経外科

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来院される方

対象疾患と治療

小児脳神経外科疾患

二分脊椎

開放性二分脊椎(脊髄髄膜瘤)/潜在性二分脊椎(脊髄脂肪腫)

この疾患は胎児期における神経管の形成不全によって生じます。神経組織が皮膚に覆われず体の外に露出している開放性と、皮膚に覆われ露出していない潜在性に大別されます。

開放性二分脊椎の場合、髄膜、脊椎、筋肉、皮膚が欠損しており脊髄髄膜瘤と呼ばれます。
女児にやや多く発生率は0.03-0.04%と言われ、遺伝因子、後天性因子など複数の因子が発生に関与するとされています。
病変は腰部に高頻度に発生し、水頭症やキアリ奇形、脊髄空洞症を合併することもあります。

運動障害や感覚障害、排尿障害、便失禁など症状は様々です。出生前に診断できることもあります。
治療は露出した組織を正常な位置に戻す手術ですが、感染の危険性もあるため産婦人科や小児科と連携を取って出生後48時間以内に行います。髄膜瘤内に正常な神経組織を認めることもあり、神経の電気的モニタリングを行いながら損傷しないように手術を行います。
潜在性二分脊椎の代表疾患は脊髄脂肪腫です。この疾患も女児に多いとされています。出生時には無症状なことも多いですが、脊髄神経が脂肪腫によりけん引される係留脊髄、神経圧迫、脊髄空洞症により二次的な神経障害が発生します。症状は脊髄髄膜瘤と同様様々です。外表面には腰部に膨隆や陥凹などが見られることがあります。治療は脂肪腫を部分的にでも摘出し脊髄の係留を解除する手術を行います。

先天性水頭症

先天性水頭症水頭症とは何らかの原因により脳室やくも膜下腔に異常に髄液が貯留し脳圧が亢進した状態をいいます。
新生児では頭位拡大、大泉門の膨隆、頭皮静脈の怒張、眼球運動障害、発達障害、成長すると縫合離開、頭痛、嘔吐、意識障害、視力障害、学力低下、行動異常などがみられるようになります。
CTやMRIで診断できますが、胎児期にエコー検査などで見つかることもあります。
治療は貯留した髄液を逃がす手術が必要で、代表的な手術方法は脳室腹腔シャント術です。脳の中にある脳室と腹部を皮下に埋め込んだチューブでつなぎ、髄液を腹腔に排出させます。その他、脳室と心臓の間にチューブを挿入する脳室心房シャント、神経内視鏡を用いてチューブを用いない第三脳室底開窓術などがあります。

くも膜嚢胞

くも膜嚢胞くも膜嚢胞とは、くも膜に包まれ内部に髄液様の液体が貯留した嚢胞です。
発生頻度は0.1~0.5%とされ、先天性が最も多く、さらに外傷や感染による後天性のものもあります。明らかな遺伝性はありません。脳のあらゆる部位に発生し、ほとんどが無症状で発見されることが多いですが、嚢胞が周囲の脳や神経を圧迫して、水頭症を生じたり、頭痛、痙攣、発達遅滞などを認めることもあります。
CTやMRIで診断されます。症状を伴う場合は手術による治療が必要になりますが、無症状の場合は年齢や嚢胞の大きさなどにより判断されます。手術は嚢胞切除術、開窓術により正常な髄液循環と十分な交通を設けることです。開頭手術を行う場合もありますが、当院では神経内視鏡を使用して手術を行っています。

頭蓋骨縫合線早期癒合症

縫合線早期癒合症(右冠状縫合癒合)頭蓋骨には骨と骨をつなぐ縫合線があり、小児期では縫合線に対し垂直方向に骨が伸びていきます。
この縫合線が早期に癒合し頭蓋骨の発育が障害され頭蓋の狭小化や変形をきたす疾患です。癒合した縫合線の部位、数により様々な頭蓋の変形が見られます。顔面骨や四肢に先天性の形成不全を合併していることもあり、原因遺伝子が特定されているタイプもあります。
脳の容積の増大に対し頭蓋が狭く、頭蓋内圧が亢進し精神運動発達遅滞を生じることもあります。治療は頭蓋を拡大して頭蓋内圧の正常化を図り、慢性的な頭蓋内圧亢進による二次的な神経障害を予防し、美容の観点からも形態の改善を図ります。手術方法は、生後3ヶ月以内であれば縫合切除術、それ以降であれば開頭術による頭蓋形成術や拡張器を用いた骨延長法が用いられています。

頭蓋咽頭腫

頭蓋咽頭腫胎生期の咽頭組織遺残から発生する良性腫瘍でトルコ鞍内から鞍上部にかけて発育します。
脳腫瘍の3.5%を占め、小児脳腫瘍では4番目の頻度ですが、小児から成人まで全年齢層に発生します。主な症状としては視力視野障害、様々な内分泌障害、頭痛、進行すれば精神症状もみられます。小児では低身長が発見されることがあるのも特徴的です。治療には、外科的手術による可及的な摘出と放射線療法があります。手術は開頭術を行う方法と鼻から神経内視鏡を挿入し手術をする方法があります。病変の大きさや場所により使い分けます。
良性腫瘍ではありますが視神経や下垂体などとの癒着が強い事も多く全摘出が出来ない事もあり、残存腫瘍に対して放射線治療を行います。術後には内分泌障害に対するホルモン療法が必要となるので、代謝内科や小児科と連携して行っています

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